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松山ケンイチさん主演の『聖の青春』が公開された。観客動員数は公開劇場が少ないにも関わらず5位に入り大変健闘している。対局場面が多く派手なアクションなど無いが村山聖さんの真っ直ぐな生き方が時間の尊さ、命の尊さを改めて気づかせてくれる秀逸な映画だ。

村山さんの最大のライバル、そして憧れの存在が羽生善治さん。この2人が食堂で酒を酌み交わす場面がとても良い。

村山さんが「夢の一つは結婚する事だが、僕は病気なので出来ない」と話すシーンがある。羽生さんはNHK連続テレビ小説でヒロイン役を務めた畠田理恵さんと26歳で結婚。村山さんが持っていない全てを持っているかのような羽生さんに特別な思いが有ったのではないだろうか？

村山さんが短い生涯を終える5ヶ月前、羽生さんとの最後の対局となる場面は圧巻だ。実際の指し手を記録した棋譜通りに駒を動かし、3時間に及ぶ長回しで撮影に挑み、松山さんと羽生さんを演じた東出さんの顔は土色に変わり、本当に疲労困憊している様子がリアルに画面から伝わって来る。

松山さんは既に村山さんに憑依しているかのように最後の命の灯火を羽生さんとの戦いにかけた。その顔つきは全く松山さんとは別人になっていた。

11月20日放送の日テレ系「誰だって波乱爆笑」に出演した松山さんは『田舎俳優』ですと自身を紹介していたが、『聖の青春』で見た松山さんの見事な演技はやはり『カメレオン俳優』と呼ぶべきだと確信した。

（画像はプレスリリースより）

外部リンク

聖の青春　公式サイト
http://satoshi-movie.jp/cast/