2011-05-12 17:00
その他
震災不安で生まれた思わぬ「特需」

通常の「復興特需」とは違う?
東日本大震災後、思わぬところで特需が発生している。通常は財布の紐を引き締める原因となる「不安感」が逆に消費を後押しする形となっているが、この特需は建材やインフラなどの「復興特需」とは少し内容が違うようだ。結婚業界、発電機、さらには家庭教師まで…
意外な特需に沸いているのが結婚業界。結婚相談所のオーネットでは、震災後に資料請求が急増。一時的に広告掲載も控えていたものの、4月以降の資料請求数は前年同期比で10%以上増加した。同社は
「震災後の計画停電や就業時間短縮で平日に時間的な余裕ができたという理由もあるが、それ以上に、危機を前にして『やっぱりパートナーが欲しい』と本能に近い思いが芽生えたのではないか」
と分析している。楽天市場でも震災後、結婚指輪の売り上げが増加。「マリッジリング」のカテゴリー全体の売上高は、震災後の1月だけで年同期比25%という脅威の伸びを達成した。
また、家庭教師派遣業で広く知られるトライは、震災後の生徒数が前年同期比14%増に急増。学研の家庭教師部門への問い合わせも増加した。理由は、原子力発電所の事故などに対する漠然とした不安感から「子供を外に出したくない」と考える親心だという。
また、カセットボンベや卓上コンロなど、電気やガスが止まった際に使えるものも需要を伸ばしている。ホンダの家庭用小型発電機「enepo(エネポ)」は小売希望価格は10万4790円と決して手軽な金額ではないが、それでも震災前の10倍程度、数にして1万台近い注文を受けた。節電の供えも進み、LED電球の売り上げも好調を保っている。
ただ、この特需は将来生まれる需要の先食いという一面もあり、この状態が一段落した後、いかに平時の需要を確保するか、企業の取り組みが問われることになる。
外部リンク
学研ホールディングス
トライ
オーネット
enepo
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